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英語絵本・児童書・教材専門店キッズブックスのblog

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ユダヤ系アメリカ人とアメリカ文化:その1

 アメリカの絵本や読み物の作家の経歴を読むのは楽しい。読んでいて、アメリカはつくづく移民の国だと思う。ネイティブアメリカン以外はみんな「~系アメリカ人」だ。移民や、アフリカなどから連れてこられた奴隷の子孫なのである。

 そんなわけで、アメリカ合衆国の作家は、いろんな国にルーツを持つ人々で構成されている。わたしが読んだ中では、ユダヤ系の作家が多い気がする。ところで、最近の「マイブーム」は、イラストレーターであり作家のBrian Selznick。近著
The Invention of Hugo Cabret
The Invention of Hugo Cabret
で2008年のコルディコット大賞を受賞した、アメリカ児童書界の代表選手。1966年生まれ。他にも
The Dulcimer Boy
The Dulcimer Boy
When Marian Sang: The True Recital of Marian Anderson
『When Marian Sang: The True Recital of Marian Anderson』

The Dinosaurs of Waterhouse Hawkins: An Illuminating History of Mr. Waterhouse Hawkins, Artist and Lecturer
『The Dinosaurs of Waterhouse Hawkins: An Illuminating History of Mr. Waterhouse Hawkins, Artist and Lecturer』

The Doll People
『The Doll People』

などなど精力的に作品を発表している。

 珍しい名字なので、前々からどこの国にルーツを持つ人かと興味をもっていた。調べてみたらいろいろ面白い。祖父の代にウクライナのキエフからロンドンに出てきて、その後アメリカに移民したというユダヤ系だった。祖父の名は「Lewis Zeleznik」だが、英語の綴り方に合わせて改名したのだろう。

 祖父のLewisは、ピッツバーグで宝石商を始めたが、のちに無声映画の配給会社を設立し活躍した。4人の子どものうちDavid O. Selznickは、ハリウッド映画でオスカーを受賞したフィルムメーカーになった。あの『風と共に去りぬ』は、このDavidが手がけた作品! またMyron Selznick は、やはりハリウッドの有名プロデューサー。そんな映画一族の中で、絵本作家Brianの父は、意外にもお堅い会計士だという。

 このBrain のルーツを知って、ゾクッとした。『The Invention of Hugo Cabret』は、無声映画に夢をかけた男の埋もれていた栄光の過去を、ひとりの少年が蘇らせる物語……。ああ、作者の原風景的作品だったのか。か(書、描)かずにはいられなかった作品ではないだろうか。叔父のDavidもMyronも、Brianの誕生前に亡くなっているが、おそらく一族の中で語り継がれている話がたくさんあるに違いない。

The Invention of Hugo Cabret』は、イラストもテキストもBrianがかいている。イラストとテキストが融合したグラフィック・ノベルという実験的な体裁をとった、500ページを越える大著だ。そこには、蓋をしてもそれを持ち上げてしまう、火山から吹き出さずにはいられないマグマのようなエネルギーが溢れ、読者を魅了する。

 あまりに有名な監督のDavidとは畑違いなBrianの資料を読んで、まさかと思ったが、ふたりの写真を見くらべたらそんな疑いはふっとんだ。血が繋がっているのは一目瞭然だ。叔父と甥が、よくもまあこんなに似たもんだ。

 映画界を見渡すと、このSelznick一族だけでなく、スピルバーグだってメル・ブルックスだって、ウッディ・アレンだって、挙げればきりがないほど、みんなユダヤ系。そして、児童文学界でもかなり活躍しているのである。

このテーマ、つづく。

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