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英語絵本・児童書・教材専門店キッズブックスのblog

絵本・児童書・教材・リードアラウドのよもやま話。 イベント、ブックフェア、バーゲンなどの情報。 KIDS' BOOKS by Paperweight Books is a real/website bookstore for English Language children's books.

アフリカ系アメリカ人文化を英語児童書で読む

 連休なのでちょっといつもと違うことをしようと、本を読む代わりに映画を見た。
 たまたま目に入ったのが、『キクとイサム』という今井正監督の古い作品。見たところまだ30代後半(40年以上前ということ?)の三国連太郎がちょこっと出演している。
 主役はアフリカ系アメリカ人と日本人の混血の子役ふたり。アメリカ駐留軍の軍人を父とする姉弟が、東北のどこかの村で祖母に育てられているという設定だ。黒人であることをさほど意識せず11歳まで育ってきたキクだったが、村から一歩出ると好奇の目で見られる。子どもの幸せのためにと、祖母は弟のイサムをアメリカへ里子に出すことにする。弟との別れを経験し、「黒んぼ」と呼ばれる自分の存在が愛する祖母の負担になっていると思ったキクは生きる希望をなくす……。

 戦後、実際にあったこととしてもおかしくない物語だ。しかし1950年代では、たとえアメリカに渡ったとしても、黒人と日本人の混血児に待ち受けているのは、先日読んだ
Bad Boy: A Memoir
『Bad Boy: A Memoir』(ブッククラブ
Gコース 2008年6月号)
の世界なのだ。
 King牧師が公民権運動をしていた時代である。平等の実現はまだだった。
Martin Luther King, Jr. (DK Biography)
『Martin Luther King, Jr. (DK Biography)』


Ben's Trumpet
『Ben's Trumpet』(ブッククラブ
Gコース 2008年6月号)
をたまたま読んだ(「たまたま」と言いながら、なぜか黒人系の読み物が多いような気がする……)。ジャズ全盛の20年代のNYハーレムが舞台の絵本だ。ジャズ・クラブから流れるトランペットにあこがれて、「まぼろし」のトランペットを吹いていた少年は、他の子どもたちから馬鹿にされていた。しかし、本物のトランペッターにその「演奏」を褒められ夢のようなことが起こる、という自己実現の物語である。似た設定の
The Jazz Man
『The Jazz Man』
というのもあったけ。

『Bad Boy』で作者のMyersが書いているように、50年代のアメリカでは、アフリカ系に生まれた子どもに描ける未来は限られていた。日本人との混血のアフリカ系で、親がなく英語を話せずという、映画のイサムのような星の下に生まれていたら……。せっかくの休みなのに、気持ちが暗くなった。映画にしても、本にしても、現実に自分に起こっていることではないのだが、気分的にすぐに影響を受けてしまうのは困ったものだ。

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