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英語絵本・児童書・教材専門店キッズブックスのblog

絵本・児童書・教材・リードアラウドのよもやま話。 イベント、ブックフェア、バーゲンなどの情報。 KIDS' BOOKS by Paperweight Books is a real/website bookstore for English Language children's books.

大人もP.シスの絵本『the Wall』を読みたい

 ワシントンD.C.に4月に赴任した知り合いの新聞記者が、「英語の本を、経済誌に紹介しなきゃならないが、選書の時間がない!助けて」とメールしてきた。

 赴任早々だ。許してあげましょう。そこで、エコノミストも興味を持つかもしれない「絵本」、
The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain
The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain
を紹介した。その後記者からの連絡はないが、絵本の奥深さを知らない大人や、または絵本作家のMike Thalerさんの言葉を拝借すれば、「overcoatを心にまとった大人たち」に、いい絵本だと思わせるのではないだろうか。

 わたしを含めて、いい年の大人が自身で読んでおもしろい絵本はそうあるものでもない。「おなかをすかせた青虫がどんどん葉っぱを食べて……」とか「くまさん、くまさん、何を見てるの?」なんていうのは、子どもでもいなければ読むはずがない。だが、実用的またはトリビア的でも新情報があるものなら、読みたい。また、心の琴線にふれ、普遍性のあるものなら、読んでもいいと思う。

 The Wallには、情報がある。共産主義時代のチェコスロバキアで育つというのは、どういうことだったのか。1949年生まれの著者の自伝的絵本だ。ロックが自由の象徴で、それが弾圧されていたこと。The Beach Boysのコンサートで政府と流血騒ぎがあったこと。子どもに親のことを報告させ、子どもに無自覚にスパイ活動をさせていたようなことなど。自由の国、「アメリカ万歳」すぎる嫌いはある。が、そう思わせてしまうくらい不自由な国だった。少なくともひとりの、才能あるチェコスロバキア人芸術家をそう思わせるくらい不自由な国だったことも分かる本だ。

 エッチング風の絵がいい。かわいらしさもある。細かいテキストは事典的でもあり、そこから歴史的事実を学べる。なかなか大人にお買い得な絵本なのである。

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