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英語絵本・児童書・教材専門店キッズブックスのblog

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Don Freemanがいい

 雨が雪に変わりそうな休日、ぺらぺらと古い絵本をめくる(趣味=仕事なのでありがたい)。
 今更、ちょっと恥ずかしいが、『Corduroy』に惚れ直した。
Corduroy (Puffin Storytime)
Corduroy (Puffin Storytime)』(くまのコールテンくん CD付き)
作者:Don Freeman

『くまのコールテンくん』なんて邦題で書くと、説明的でとたんに子どもっぽくなる。原題は『コーデュロイ』で、『ロリータ』(byウラジミール・ナボコフ)みたい。主人公の名前である。シンプルで想像力を働かせる余地があっていいので、原題で呼びたい。
 
 惚れ直したのは、絵と文両方にである。作者のFreemanは1908年生まれで78年に亡くなった画家。サンディエゴ生まれで、NYで活躍した。20世紀初頭のアメリカは、ヨーロッパ絵画界の影響が色濃かったのだろう。修行中のFreemanのNYスケッチなどは、ロートレック的でもある。筆致に勢いがあって、描かれた人々の生活感が漂う。

 その画家が手がけた絵本である。「ちょちょいのちょい」と仕上げたような余裕が感じられつつ、完成度が高い。『Corduroy』は版画タッチ(本当に版画かもしれない)で、黒のアウトラインが力強いのが印象的だ。当時の印刷は「総天然色」ではなく、4色に分解して色を載せたものだが、それがかえってモダンだ。

 クマの顔つきが、本当に愛らしい。ボタンがひとつ取れたコールテン(コーデュロイ)のつり付きズボンをはいている。そのボタンがとれてしまっている姿が、ひとを惹き付ける。「わたしならそんなあなたを愛せるわ」と、抱きしめたくなる。こりゃ、母性愛かなにかだろうか。「つぼ」を押さえた作者のキャラクター設定がうまいものだ。

 そしてコーデュロイを自分の小遣いで買った少女が呟くセリフが、ほろりとさせる。
  You're going to be my very own bear.
  (あなたは、わたしの大切なクマさんになるのよ)
  I like you the way you are.
  (わたしは、そのままのあなたが好きよ)

 と、こんなわけで、本書は世界のロングセラーなんだ、と納得する。
 アメリカ人の初老の紳士が、書店の店先でたまたま『Corduroy』を見つけて、
「Oh my! My dear Corduroy!」
と言ったのを聞いたことがある。この1968年生まれの本を、娘に読んであげた頃を思い出したのだろう。アメリカの「国民的絵本」の1冊でもあるようだ。

 他の著書:
『A Rainbow of My Own』
A Rainbow of My Own
A Rainbow of My Own』(わたしの虹)
作者:Don Freeman

は、文章量が少なく絵を追って筋が分かるので、『Corduroy』よりも年少者向け。
『Gregory's Shadow』は、『Corduroy』よりも文章が多い。フリーマンの冬の情景と、グレゴリーというハムスター(?)のかわいらしさが、「総天然色」で楽しめる。
Gregory's Shadow
Gregory's Shadow
作者:Don Freeman

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