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英語絵本・児童書・教材専門店キッズブックスのblog

絵本・児童書・教材・リードアラウドのよもやま話。 イベント、ブックフェア、バーゲンなどの情報。 KIDS' BOOKS by Paperweight Books is a real/website bookstore for English Language children's books.

Crispな朝、ポートランドのファーマーズマーケットヘ

 初秋のような、からりとした晴天で、crispな朝。今年の夏2度目のポートランドのファーマーズマーケット。今日は、「こんなマーケットが表参道でできたらいいよね」と言う視察のカップルとご一緒だ。

 毎土曜日8:30から2:00に開催されるが、今日は10:00に行った。2本の道のそれぞれの側にぎっしりの店と、その2本の道の間の芝生にはひとが休めるところや、屋台がでている。このファーマーズマーケットのキーワードは、ローカルとオーガニック。近隣の農家や畜産農家や漁師や猟師が、野菜、果実、海産物、肉、花などなどを持ち込んで売る。毎週おなじみの顔が多い。

 朝食抜きだったので、Tamaleを食べる。トウモロコシ粉を練ったものをトウモロコシの皮でつつんで、ちまきのようにして蒸したものに、サルサとサワークリームをつけて食す。お腹がすいてもいたので、やけに美味しかった。

 トマトのコンテストがあったり、カントリー/ブルースの演奏家が演奏していたり、アメリカのフェアの伝統的雰囲気が想像できる。たとえば、
Charlotte's Web (Trophy Newbery)
Charlotte's Web (Trophy Newbery)
Charlotte's Web: Wilbur's Prize (I Can Read Book 2)
Charlotte's Web: Wilbur's Prize (I Can Read Book 2)
の、ブタのウィルバーが品評会に出されることになるのも、ファアでだった。

花を扱っているのは東洋人が多い。ダリア、グラジオラスを得意とするところがあったり、カラーとユリのところだったり、それぞれ特色がある。
Planting a Rainbow (Voyager/Hbj Book)
Planting a Rainbow (Voyager/Hbj Book)
の色とりどりの花々を思い出す。
芝生の上のおけに入れられた花々は、選び放題で、驚くほど安い。新鮮な花に囲まれて、ああ幸せ、と思う。
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今日も大繁盛、パウエルズ書店

 ポートランドの街は、ちょっと曇り空から朝が明け、日中には晴天になるというのが、よくある夏の天候だ。今朝も、そんな朝からパウエルズ本店へ向かい、日本からのお客様たちと合流。根が生えたように、本探しに夢中になった。

 先週の月曜日からこんな日々だが、平日でもいつも店内がにぎわっている。今朝は、開店30分後だったにもかかわらず、もうレジに人が並んでいた。
「8月の売り上げは、こちらも驚くほどよかったので、大変喜ばしい」とパウエル社長は誇らしげ。

 いつも感心するのは、店内のディスプレイが少しずつ、毎日変わっていること。毎日新しいused booksも入るし、新刊も入ってくる。また、カテゴリーを自由に飛び越えての展示も、本好きに思ってもいなかった本との出会いを作り出してくれる。

 例えばヤングアダルトで人気のStephenie Meyer作のヴァンパイア物語
Twilight (The Twilight Saga, Book 1)
『Twilight (The Twilight Saga, Book 1)』

New Moon (The Twilight Saga, Book 2)
『New Moon (The Twilight Saga, Book 2)』

 本来はヤングアダルトの部門に収まるものだが、レジ近くや大人の文学のコーナー、エレベーター脇などにも積んである。「流行っているんだな」→「どんな本かな」→「読んでみようかな」と、もともとはYAの本とは知らずに大人が何気なく手にするしかけがうまい。

 この本の人気にあやかって、ヴァンパイアものが売れているようだ。最近読んだ
Evil Returns (The Vampire's Promise 2)
Evil Returns (The Vampire's Promise 2)
も、ヴァンパイアもので、手慣れた作家の読みやすい文章で、あっと言う間に読み終えることができた。それなりに面白い。高校生女子の美人願望がテーマで、美人で人気者になるためにヴァンパイアと取引をしてしまう高校生女子が主人公の物語。このように読みやすく書かれた本を、どんどん発見し紹介して行こう。
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北京オリンピック、Led Zeppelin そして英語

 ここポートランドで、すっかりオリンピックのことを忘れていた。ここの人たちには、アジアでやっているオリンピックだから、ピンとこないのか。新聞でも、せいぜい水泳の8冠をとった自国の選手の記事を目にしたくらい。だから、気がついたらもう終わっていた。

 閉会式にLed ZeppelinのJimmy Pageが出て、Robert PlantなしでWhole Lotta Loveを演奏したのを知った。2012年がロンドン大会だからといって、なんでJimmy Page……。まあ、ベッカム選手は分かるような気もするが。Led Zepplinがもしかして、今や国を代表するアーティストのひとり?!嬉しいような、なんだかね、という感じ。

その演奏をYouTubuで見ようとしたら、多分Jimmy の権利に厳しいエージェントが禁止したのだろう。もう、見られなくなってしまっていた。でもインタビューが残っていた。



この冒頭は、Beckhamのインタビューなのだが、わたしには彼の通訳はできない。「閉会式に出られて光栄だ」のようなことを、きちんとかしこまって話しているのだが、ところどころよく聞き取れない。どこか違う国の言葉のようだった。次に話しているのが、閉会式でRobert Plantの代わりにJimmyと歌ったLeona Lewis。ちょっと分かりやすくなる。そして、Jimmy。やっと分かる英語だ。同じ英国の英語でもずいぶん、違うもんだ。
こんなYoutubeのビデオで、英語の多様性にチャレンジ!

ちなみに、Whole Lotta Loveの歌詞は、オリンピック・バージョンに変えられていたそうだ。ちょいと、危ない部分がマイルドになったらしい。でも、そんなのロックかなあ。ポール・マッカートニーは、今やSirつきで呼ばれる貴族だが、Jimmyもそんな方向に行きたいのか?

Led Zeppelin (Popular Rock Superstars of Yesterday and Today)
『Led Zeppelin (Popular Rock Superstars of Yesterday and Today)』


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胴長を英語でどう言う?

 東京がせっかく涼しくなったというのに、ポートランドへやって来た。どうせなら、もうちょっと過ごしやすさに差があるうちに来た方が、こちらの夏の気候のありがた味があったのに。とはいえ、湿気がないので、東京では「天然ウェーブ」だった髪が、ここでは直毛になるのでありがたい。

 この夏のポートランドでは、まっさきに自転車を手に入れることにした。 Powell'sのコンピューター部門のマネージャーで自転車好きのMさんが、週末なのにわざわざ自転車選びを手伝ってくれた。彼は、旅で訪れたポートランドが好きになり、カリフォルニアから移住して来た人で、客観的にポートランドの良さを知っている。「自転車に優しい街」ということも実感している人だ。

 彼のおすすめの店で、いくつか試乗することにした。マウンテンバイクとシティバイクの中間、ハイブリッドという種類が良さそうだった。足の付き具合など見てもらっていたら、店の自転車オタクっぽい店員さんが、澄ました顔して
「あんたはshort legs で long torsoだから、これじゃないほうがいい」
と言った。
「はあ?!」
我が耳を疑って、Mさんの顔を見る。Mさんは、大笑い。
「Long torso!」
Mさんは、わざわざ繰り返す。
ああ、そう。意味は分かったが、そう言うのね。胴長って。主観的でなく即物的で、インテリ風?な、胴長の言い方。

おかげさまでまた、ひとつ語彙が増えた。
英語は、傷つきながら語彙を増やしていくものね。

まったく悪気のない、本当のことを言っただけという顔のその店員さんの勧めとMさんの勧めに従い、ちょっとサスペンションがきいて乗り心地がよく、ペダルも軽い自転車を買った。上体とのバランスでタイヤサイズを選んだので、Torso のわりにLegs が短いわたしには、地面がちょっと遠いかな、という感じは否めない……。

ああ、それからヘルメット。
「Oh, you have a big head!」とも言われた。
Long torso, short legs and a big head...
こんな姿ではあるが、これでPowell'sまでひとっ飛び。さらに本探しが簡単になる!

こんな自転車にこんなlegs:
Duck on a Bike
Duck on a Bike
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先生たちにはそろそろハロウィーンの季節

 お盆休みが終わると、秋の足音が聞こえてくる。まだまだ暑くてたまらないところだが、先生たちは秋からの授業のことがそろそろ気になってくる時期でもある。

 今年はCorduroyのハロウィーンの本を読んでみよう。オリジナルの
Corduroy (Puffin Storytime)
『Corduroy (Puffin Storytime)』

は、Don Freemanの名作でロングセラー。NYCのデパートで売られていた、コールテンのズボンをはいたクマのぬいぐるみの物語だ。1960年代の香りがする本だ。でもこちら
Corduroy's Halloween (A Lift-the-Flap Book)
『Corduroy's Halloween (A Lift-the-Flap Book)』
は、Lift-the-Flap Bookシリーズは、キャラクターは生かしているが別の作者によるもの。1ページに小さめの文字が3~4行。
  It's fall! The air is colder, and the trees are turning red and yellow.
冒頭はこんな感じだ。本書で、秋の風物詩を教えたい。「raking leaves」とあるが、この「rake」は日本では案外大学生だって知らない単語だ。子どもに笑われる。コーデュロイが使っているこの絵を見たら、しっかりと脳裏に焼き付くことだろう。
 見開きページには3つのflapsがついている。
  What is hiding under the leaves?
  What is hiding under the pumpkin?
  What is hiding behind the wooden door?
と、それぞれを指しながら問いかけて、生徒に会話に参加させたい。前置詞「under」と「behind」はこれでバッチリ。見開き2ページで、もしかしたら45分遊べる(授業ができる)。
 続く3場面、First, Next, Finally でそれぞれテキストは始まり、順番に述べる論理的文章のわざも学べる。各ページflapsが4つもあるところもあって、underとbehindがいやっというほど使える……。

 英語レベルが次なる段階にある子どもたちには、Yoko & Friendsシリーズから、The Halloween Parade
The Halloween Parade - Book #3 (Yoko & Friends School Days)
『The Halloween Parade - Book #3 (Yoko & Friends School Days)』
を。
 Early readers用に作られた本シリーズ、日系ネコの少女ヨーコと親友ティモシーは、ハロウィーンの仮装にあるものを選んだ……。ヒント、Yoko Yoko
『Yoko』
に出てくる彼女の好物の食べ物。
 1ページに6~12行の文章だが、すべてのページはカラーの挿絵つきなので、どうにか息切れせずに読めるかも。

 そしてしんがりは、かなり英語が読める中学3年生程度に、こんな絵本を。
The Graves Family
『The Graves Family』

 まあ、怪物一家のようなヘンな一家が、ある秋の夜に、主人公たちの住む静かな町に引っ越してきた。そのコミュニティーでは、彼らを「怪物」として忌み嫌うか、「個性」として受け入れるか揺れる。異質なものを排除しがちな日本だ。そこの若者たちにこそ、本書の意味を考えて欲しいじゃない?と先生なら思うだろう。文章もたっぷりあるが、色遣いや構図、デザインも一流の絵本で、読解力の足りない部分をずいぶんと助けてくれる。

 さあ、秋からの新学期。これらの本が、英語の楽しさを知るきっかけになるといいな……。
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antはaunt?「正しい発音」ってどういうことだろう

 イギリスの児童文学のRoald Dahlは、もともと英語圏の子どもたちには絶大な人気を誇る作家だ。ここのところ、映画『Charlie and Chocolate Factory』の原作者として、普段児童書になじみのない人たちにも知名度が上がった。
Charlie and the Chocolate Factory
『Charlie and the Chocolate Factory』


 Roald Dahlは、正確には親がノルウェー人なのでノルウェー系だが、一応イギリス生まれのイギリス人で、当たり前だが……イギリス人らしい。文章の感じや、ユーモアの質、ちょっと意地悪だったりアクが強かったりで、そこにイギリスを感じる。

 最近、立て続けに
Dirty Beasts
『Dirty Beasts』

Revolting Rhymes & Dirty Beasts CD
『Revolting Rhymes & Dirty Beasts CD』

Roald Dahl's Revolting Rhymes
『Roald Dahl's Revolting Rhymes』

The Giraffe and the Pelly and Me
『The Giraffe and the Pelly and Me』

を読んだ。どれも挿絵が多い(ベスト・コンビのQwentin Blakeとの)。
Michael Rosen's Sad Book
『Michael Rosen's Sad Book』

はミドル・リーダー向けだが、大人でもそのユーモアを本気(!)で楽しめた。

『Dirty Beasts』からの1話。anteater(アリクイ)と、aunt eater(おばさん食い)の取り違えがから起こるどたばた話である。このオチ、アメリカ英語とイギリス英語の違いがあるからこそのものなのだ。「おばさん」と「アリさん」の区別がなく聞こえるアメリカ人の発音をイギリス人が、哀れんでいる。

 この英語の「なまり」に関連して、"Read Aloud Woman"、Mem Foxの著書
Reading Magic: Why Reading Aloud to Our Children Will Change Their Lives Forever
『Reading Magic: Why Reading Aloud to Our Children Will Change Their Lives Forever』

に、こんなエピソードがある。
 アメリカ南部で著者は、あるファンにサインを頼まれる。サインに加えて「Terror(恐怖) さんヘ」と書いてと言われた。変だとは思いつつも「For Terror」と書いた。そしたらそのファンは「No, no. Terror.」、「テラーじゃなくてテラー」と言うのだ。Mem Foxは「?」。じれったくなったそのファンは、ペンをとり綴った。そこには……「Tara」と書いてあった。

 Mem Foxはオーストラリア人で、「Tara」は「Tah-ra」と発音するし、アメリカ南部人はおなじ綴りを「terror」と発音するのであった。

 イギリス読みも、アメリカ読みも、オーストラリア読みも、でもみんな英語。この「いろんな英語」という認識が、今後とても大切になると思っている。

 もうひとつ、ついでに「なまり」について。
イギリスのスーパーロックバンドLed Zeppelinの結成前夜の話を
Led Zeppelin (Popular Rock Superstars of Yesterday and Today)
『Led Zeppelin (Popular Rock Superstars of Yesterday and Today)』

で読んだ。
 デビューを目前にして、バンドの名前を「鉛の飛行船(Lead Zeppelin)」にしようということになった。そこに、マネージャーのストップが入った。いわく、「アメリカに打って出ようというバンドだから、アメリカ人に発音しやすいものにすべきだ。『Lead Zeppelin』じゃ、アメリカ人にリードゼッペリンと読まれてしまう」。そこで、「Led」という当て字にしたというエピソード。

 これは、なまりはなまりでも、「鉛」の綴りと発音のこと。英語には、こういうsound outが難しい単語が多々ある。移民などが多く、識字率が低めのアメリカでは、よく読み間違いが起こる。「lead」も、動詞の「リードする」という意味で使うときは、読みは「リード」。だが、名詞の「鉛」を意味する時は「レッド」と読む。これは、「read」の過去形も「read」とかいてレッドと読むパターンと同じだ。ああ、ややっこしい。

 マネージャーの、「イギリス人なら間違えないものも、アメリカ人ときたら……」といったニュアンスが、イギリス人らしくておもしろい。
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次回9月28日が待ち遠しいリードアラウド

 先日8月8日のクレヨンハウスでのリードアラウド、I'm Not Bobby
『I'm Not Bobby』
を使ってのものだったが、

用意した椅子と本が足りなくなりそうに、尻上がりに参加者が増えた。驚きとともに、すごく嬉しい。(ちなみに本書、クレヨンハウスまたはキッズブックスには十分あるが、他店では手に入りにくい)。

 リードアラウド、聞くも聞かせるもどちらもエンターテイメントである。少なくとも、わたしの思う「リードアラウド」は。そして、この日の空気は……
楽しい!!
と言えるものだった。15人くらい?の大人の方々と、3歳の子どもひとり、みんなにっこにこ。わたしも、そのバイブレーションを受けたか、または……ヴォイストレーニングのおかげか、いつも以上にこの本から受ける思いが声に乗って、外に出た。

 この会で特に嬉しかったのは、男性と高校生の参加があったこと。それから、ほんとは心配だった3歳児の参加。これらの参加者をentertain するのが、実は難しく、こちらにとってチャレンジなのだ。
高校生の場合は、一般的に自意識が強い年頃なので「馬鹿みたい……」と、そっぽを向きがち。男性の場合は、「上から目線」で、自分は高見の見物としがち。また、5歳未満は、つまらなくなるとすぐにそれを態度で示す。

でも、この日のお三方は違った。高校生はにっと笑って、その気を出して読んでくれたし、男性は演技たっぷりに「かっこいい声」をというリクエストに応えて、低音の魅力を出してくれた。3歳児は、まるでわたしがあらかじめ頼んだ「さくら」みたいに、超高感度。"Bobby!"という叫びに驚いて飛び上がったり、目を見張ってくれた。

他の方々?これはもうノリノリ婦人ばかり。個性的で、わたしが気付いていなかった表現もあったり、感心したり大笑いしたり。
こんな会が持てて、ああ幸せだなあ。次が待ち遠しい。

☆☆☆☆☆☆これからの、リードアラウドの会の予定☆☆☆☆☆☆
9月28日、日曜日 9:45-10:45
クレヨンハウス

9月29日、月曜日 14:00-15:00
成蹊学園
How Do Dinosaurs Say Good Night?
『How Do Dinosaurs Say Good Night?』


10月26日、日曜日 9:45-10:45
クレヨンハウス
Goodnight Moon
『Goodnight Moon』

Goodnight Moon Book and CD (Share a Story)
『Goodnight Moon Book and CD (Share a Story)』

クレヨンハウスでの会の参加、取材申込みはクレヨンハウスまで:03-3406-6492

成蹊学園(東京都武蔵野市)のものは、成蹊の小学生対象。成蹊学園国際教育センター:0422-37-3865



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またまた、英語をどう勉強していくかを考える:whole-to-part 主義

 英語圏の大学に留学したい、という学生たちから相談を受けることがたびたびある。そして質問は、決まって「どうやって英語の力をつけたらよいか」。

 最近のわたしのアイディアの宝庫は、Mem Foxの
Reading Magic: Why Reading Aloud to Our Children Will Change Their Lives Forever
『Reading Magic: Why Reading Aloud to Our Children Will Change Their Lives Forever』
だ。またひもとく。
 子どもの英語教育(国語)を、どう始めるかについての章で、phonicsに対峙するwhole languageというコンセプトについての言及があった。

 言語を、最小構成要素である単語まで還元し、単語の綴りとその発音の法則フォニックスから教えるか、または、文章全体、つまりお話から教えるかの2つの「主義」というか方法だ。「part-to-whole」か、「whole-to-part」かということ。
The Fluent Reader:Oral Reading Strategies for Building Word Recognition, Fluency, and Comprehension
『The Fluent Reader:Oral Reading Strategies for Building Word Recognition, Fluency, and Comprehension』
も、「主義」で言えばこのwhole-to-part主義で、その手段としてoral readingについてまとめた本だった。

「Read Aloud Woman」のMem Foxは、もちろんwhole-to-part主義者である。まだまだ彼女の足下にも及ばないが、知らず知らずのうちに英語教育に関して似た「性癖」を持つようになったわたしも、whole-to-part主義だ。

 だから、高校生や大学生にはwhole=全体=文=本を読むことを、口をすっぱくして言ってきた。wholeが分かってくれば、partはあとからついてくる。

 子どもたちなら、Read Aloudで本の楽しさにふれさせ、どんどん読ませれば、自分で読むことを学ぶ。そうしていくうちに、75~80%の子どもたちはphonicsが身に付くという調査結果も出ている。残り20~25%の子どもたちには、フラッシュカード
Phonics Made Easy-Flash Cards
Phonics Made Easy-Flash Cards
などを使った機械的なフォニックス訓練が非常に有効だというのは、素直に腑に落ちる。

 Whole-to-part。Whole language(最近の教育界では、これを体系化し、Balanced Literacyと呼ぶ)を学ぶことが、英語の王道!

 ちなみに、アメリカではこれに切り替えた学区の英語力の伸びが著しいと、いろいろなresearch paperにまとめられている。またオセアニア各国のLiteracy rateは、このおかげでフィンランドにつぐ好成績を収めているとのことだ(Mem Fox)。
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絵本『I'm Not Bobby!』は、すぐれた脚本だ:Let's read aloud!

 8月8日夜7時から、クレヨンハウスで
I'm Not Bobby
『I'm Not Bobby』

を、みなさんとリードアラウドする。ヴォイストレーニングとして、朝一番に声を出してみた。……歌も発声訓練にいいので、「千の風になって」を、トレーナーに習った立ち方、顔の向き、口を再現するように熱唱。すると、部屋が震撼し、植木鉢のシダの枝が1本、はらりと落ちた。
 いい感じだ。声が、喉で締められて止まらず、体全体が管のようになってお腹から出た、気がした。

『I'm Not Bobby!』の作者Jules Feifferは、社会風刺マンガでピューリッツアー賞、短編アニメでアカデミー賞を受賞し、「マンガの殿堂」入りを果たした人だ。オスカーを取ったアニメ「Munro」がyoutubeで見られる。

 4歳のMunroが何かの間違いで徴兵されて……という物語。発表された1960年には、徴兵制度も戦争もあったので、不条理とはいえちょっと現実味がある。この少年に、今回の絵本のヒーロー、Bobbyの原型が見られるのが興味深い。どちらの少年も、何にでも「No! No! No!」という子。この「No No boys」たちを登場させる意味を、ピューリッツアー賞も取った風刺マンガ作家が考えてないわけない。『I'm Not Bobby!』は、こうして深読みできる、大人が楽しめる絵本であること間違いない。

 作者は多才で、映画の脚本も書いた。本書は、その才能が垣間みられる、脚本のような作りだ。テキストはすべてセリフで、「ボビー」と「大人たち」に2分割できる。3年以上英語を学んでいる子どもや、表現力をつけたい大人にもってこいだ。

 大人(最初はママである)が、5回も「Bobby!」と叫ぶ。いろんな感情で、それぞれ違った表現で読むべきだ。堪忍袋の緒が切れるまでを、どう読むか。
 強情なボビーは、走り回るらしい。追いかけるママは、最後は息が切れてパパにバトンタッチする。息が切れた読み方も必要だ。

  I can't catch him...
  パパ、お願いできる?
  Dad, will you catch Bobby?

 100%真剣かもしれないし、こんな時に大人は笑いそうになっているかもしれない。子どもと鬼ごっこしているところを、想像してみる。泣き笑いかもしれない。

 それから、パパも降参。おじさん、おばさん、いとこも。
 捕まらないとなると、大人はずるい。作戦を変える。
 それにしたがい、声の調子を変えるべきだ。

  たいへなことになるわよ(今に後悔するわよ)
  You're in big trouble now, young man!

 動作を加えて、たとえば腕を組みながらとか、そして首を振りながらとかするといいかもしれない。

 そして、威圧的な、いかにも親らしいことをダーと言って、それでも来ない子に癇癪を起こして、ドアをばたんと閉める。
「ほーら、お母さんの負けだ!」と思わせるような、大人の敗北を演じなければならない。

 ここから先は、ボビーが今度は弱気になって後悔を始める難所。子どもらしさを失わず、意地はあり筋をとおしたいが、めちゃくちゃな道理をもってくる。情けなさと意地をどう表現するか。ひとりの場面は、聴衆の興味を維持させるために、さらに読む者の力が求められる。

 と、まあ絵本とはいえ、本書を読むときは、読む者が演じる者でなければならない。いい「教材」に巡り会った……。
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『Goodnight Moon』と『おやすみなさい おつきさま』

「Read Aloudを、日本の子どもたちに英語の本でやるには?」と、いつもよりよい方法と本を模索している。なぜなら、Read Aloudは英語の楽しさ、読書の楽しさを伝えられるから。そして、伝わった人たちはどんどん英語の本を読む人になり、そのおかげで英語でも意志を伝えられるようになり……、ついには日本が世界に多くの友だちを持つ国になるから。

 その壮大な目的遂行のため、自分自身の表現力をより高めようと、この春からはボイストレーニングを始めた。まずは声に広がりと深みをもたせたいと、発声と呼吸法を訓練し、ここ数週間は、わたしのトレーナーも絶賛の日本語の絵本『おじいさんの旅』
Grandfather's Journey (Caldecott Medal Book)
『Grandfather's Journey (Caldecott Medal Book)』

おじいさんの旅
『おじいさんの旅』

も、朗読練習している。淡々とした言葉に、多くの複雑な感情が織り交ぜられていて、やりがいのある難しさだ。

 自分が翻訳したのに、解釈が甘かった。ボイストレーナーが読むと、言葉がぴかぴか光る。1行1行、わけあっての声の高低であり、速度の違いであり、間の違いだ。レッスンの1時間弱は、いつも発見の1時間弱である。

 これで、英語版でも表現の幅が広がるだろうと思う。脚本のように心理状況が複雑な絵本
I'm Not Bobby
『I'm Not Bobby』
を、
今週の金曜日にクレヨンハウスでの、大人たちのワークショップで使う。これもチャレンジだが、自分がどんどん上手になっているという前提で、恐れ多くも大人の方々に御指南する……。

 万を期して?!10月には、あの
Goodnight Moon
『Goodnight Moon』

Goodnight Moon Book and CD (Share a Story)
『Goodnight Moon Book and CD (Share a Story)』

を、read aloud。そこで、翻訳されたものも手に入れて、比べてみることにした。
『おやすみなさい おつきさま』を初めて手にした。つやつやで鮮明な色合いの表紙は悪くない。この本の基調色、赤とみどりが鮮やかだ。原書では、床と炎の色はほとんど一緒になっているが、和書では床は茶色になって、炎はピンク系で、陰影もはっきり写っていてよりリアル。だが本を開いてあの有名なフレーズ、

  In the great green room
おおきな みどりのおへやのなかに

があるページで、大ショック。色が違う! 緑が薄い。赤がぼけたオレンジ色。緑が青っぽい。空がフラットすぎ。黒がしまりのないグレーになっている。ダメ~~~!

  Goodnight room
おやすみ おへや

のページだって、old ladyの青い服が、あんまりにも真っ青で、服だけ飛び出して見えるし、old ladyにこんな青、似合っていない!

 また、翻訳の限界だろうけれど、韻が踏めない。
「In the great green room」では、「gre」が繰り返され、耳をくすぐられるようなのだ。それから、「And a red balloon」の「oo」と、「room」の「oo」の音も。

 この素晴らしい導入部分の原文、今からどう読もうかと10月が楽しみになる。

 リードアラウドの予約はクレヨンハウス(03-3406-6492)で。
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