英語絵本・児童書・教材専門店キッズブックスのblog

絵本・児童書・教材・リードアラウドのよもやま話。 イベント、ブックフェア、バーゲンなどの情報。 KIDS' BOOKS by Paperweight Books is a real/website bookstore for English Language children's books.

2008年ブックエキスポ(BEA)へ出発

 2008年のブックエキスポがいよいよ始まる。今年はロサンジェルスで開かれる。10年近く暮らした街だが、近頃はブックエキスポ以外で立ち寄ることがない。

 アメリカ出版界では、9、10、11月にその年の目玉本が多く出版される。その見本市として、ブックエキスポの役目は大きい。本の出来を見て買い付け数などを決めるのだが、一緒に既刊も発注したりする。出版社は書店向けに、大きく割り引いてくれる。

 とはいえ、小規模書店は取次(問屋)から買うことが多い。その場合は、新刊の出来をブックエキスポで見極めておき、あとで取次に発注するのである。

 わたしは、小規模な買い付けと、新刊・既刊の見落としをこの機会に減らす。思いがけないものを発見するのもブックエキスポならではだ。

 2000年には、音信不通になっていた元親友の本
Flags of Our Fathers ~New York Times Bestseller~
『Flags of Our Fathers ~New York Times Bestseller~』

を発見して、連絡がとれた。のちに、その本のYA版をわたしが翻訳(『父親たちの星条旗』)することになった。これは、ブックエキスポが個人的に大きな役目を果たした例だ。

 それよりも前、1996年だったと思うが、『Aera English 6月号』の特集でも紹介した
The Ink-Keeper's Apprentice
『The Ink-Keeper's Apprentice』

を会場で発見。帰国後読んで、大感動。作者に連絡をとって親交が生まれ、後に作者の絵本
Grandfather's Journey (Caldecott Medal Book)
『Grandfather's Journey (Caldecott Medal Book)』

を翻訳させてもらった。これはコルデコット大賞も受賞した名作絵本だ。戦前に日本からカリフォルニアに渡った日本人の「ふたつの祖国」を愛する心を、孫の口をかりて淡々と語り描いたものだ。
『The Ink-Keeper's Apprentice』の方は翻訳もしたのだが、あいにく出版社が見つからず「お蔵入り」。

 1992年から通っているブックエキスポ(BEA)では、このほかにも数えきれない作品を「発掘」してきた。さあ、今年は……。
 新しくカメラを買ったので、会場風景などを撮ってくるつもり。うまくこのブログにアップできればいいのだが。

The Invention of Hugo Cabret
『The Invention of Hugo Cabret』
のBrian Selznick、
The Thief Lord
『The Thief Lord』

Ghosthunters And The Incredibly Revolting Ghost
『Ghosthunters And The Incredibly Revolting Ghost』

Inkheart
『Inkheart』
のCornelia Funke、
Read Aloudの名人で、
Tough Boris
『Tough Boris』
の作者Mem Foxが
来場することになっているので、同じ空気でもすってこよう。
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30人の子どもたちとRead Aloud

 先日は成蹊学園国際教育センターで、成蹊の小学生との「リードアラウド」(本年度最初の)があった。小学校1、2年の混成で30人。それにお母さんたちとセンターの先生方で、総勢50人位。いつもの多目的ルームが狭く感じる。

 使用した絵本は
David Goes to School
『David Goes to School』

 この日のポイントは、どのようにして、大人数のクラスで何回も通して読む機会を創出するか。
The Fluent Reader:Oral Reading Strategies for Building Word Recognition, Fluency, and Comprehension
『The Fluent Reader:Oral Reading Strategies for Building Word Recognition, Fluency, and Comprehension』

で学んだRepeated Reading の実践である。
 
 そこで考えた。いつものリードアラウドでは、参加者が通しで読むのはせいぜい2回だ。それを5回程度まで増やす。ページごとのディスカッションをスピーディーにすればいい。課題は、どうやったら60分の授業中に同じ本を飽きずに5回も読ませることができるか。

 数日間、頭はもやもや、決め手が浮かばない。選書が選書だから、どうにか楽しくはやれることはわかっている。でも、「Fluent Reader」に育てるための決め手のひとつ、繰り返し読むこと「Repeated Reading」を実践したい。

 すると、妙案が!
 これはやはり
The Fluent Reader:Oral Reading Strategies for Building Word Recognition, Fluency, and Comprehension
『The Fluent Reader:Oral Reading Strategies for Building Word Recognition, Fluency, and Comprehension』

を読みながら学んだことだが、「paired reading」つまりペアを作って読ませることの応用だ。
 まず、1年生と2年生でペアを作る。30人だから15組。
 ペアごとに受け持ちのページを決める。ペアで練習させる時間と、そのあと30人全員に実演させる時間が必要なので、全テキストをだいたい公平に区切って7パーツにする。
 15組を二手に分けて、7パーツをそれぞれ受け持たせる。つまり7組で1冊を分け読みする。7と7で14組できて、1組余る。この組は「ラッキー組」として、気に入ったパーツを選べる。
 年少なので、パーツの割当がスムースに行くように、あらかじめ教師側がパーツを書いたカードを作って行く(当日は、お母さんたちの助けをお願いする)。

 初めての試みだった。でも……できた!!
 最初に2度、ディスカッションもまぜて一斉読み。つぎに、パーツを練習させる。最初の7組に通し読みさせて、もう一つの7組、それから「ラッキー組」。これで2度、通し読みできた。そして、最後に全員で、あらたなプロファイルの登場人物になりきって、通し読み。これで通算5度!
 生徒たちは、静かすぎずうるさ過ぎず、そして驚くほどうまい子も多かった。最後には読みたい子の挙手がそこら中に……。声を出さない生徒は、多分……皆無。
 
 ああ、この日も、ほっ。
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リードアラウドatクレヨンハウス:初心者には選書が肝心

 今日は、朝から大雨、そして9:45だというのに、クレヨンハウスのリードアラウド会場には、先生とおぼしき大人や子ども連れが集まってくれた。

 この日のポイントは、ちょっと文章が多めの本を、ごく初級の子どもにどう楽しませるか。そして、子どもをどうほめるか。
Dog's Noisy Day
『Dog's Noisy Day』

が使用絵本。

 最初に、動物の鳴き声など、擬声音・擬態音だけを練習。予想通り、2、3個目あたりから、のびのび鳴き声を読んで?笑顔を見せ始めてくれた。いつものように、大人のノリはいい。それはおそらく、ひとりで参加している大人の「正体」が先生だから。先生たちは「舞台慣れ」していて、すぐにその正体が知れるのである!

 今回のように、英語力に頼らなくてもいい擬声音などがある絵本を選ぶと、より多くの子どもたちに楽しさを伝えられる。このため、選書が大切。今日のもの、多分成功である。

 成功と失敗は、セッションが終わったあとの子どもたちの様子でだいたいわかる。話しかけてくれたり、何となくそばに寄ってきてくれたり、絵本の一節を言いながら帰ったり……。こんな風にRead Aloudの「魔法」にかかっているようだったら、成功だ。今日も「魔法」がまずまずだったかな。

 小学校中学年以上になると、自意識が発達して恥ずかしがり屋になる。そういった子をほぐす力も、教師には必要だろう。教師用研究書
The Fluent Reader:Oral Reading Strategies for Building Word Recognition, Fluency, and Comprehension
『The Fluent Reader:Oral Reading Strategies for Building Word Recognition, Fluency, and Comprehension』

を使っての有志による勉強会で、教師が生徒をほめることの大切さを再認識したが、特に小学校中学年以上には大切だと思う。見え透いたお世辞はだめ。何かに驚いたとき、心から感心することが教師には求められている。……今日は、参加者それぞれの読み方に、本心から「うまい!」「いいあじ!」「そういう言い方もあった!」と思えることばかりで、ほめるのにぜんぜん苦労がいらなかった!

 こういったリードアラウドのワークショップを行うのは、いつも準備が必要だし、それなりの緊張があるのだけれど、実際にやっていると喜びが湧いてくる。今日もセッションの後に、大人の方々から、お世辞じゃなさそうに「すっごく楽しかったです」という言葉が聞けてほっとした。あ~あよかった……。

 クレヨンハウスのこれからの予定。
 大人向け:6月27日(金曜日) 19:00-20:00
 テキスト:
That's What Friends Do
『That's What Friends Do』

 子ども向け:7月27日(日曜日) 9:45-10:45
Basil
『Basil』


 さあ、明日は成蹊学園で、30人。
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「Strunk/White/Kalman」というクレジットを見てドキリ?!

 2000年の1月頃だったろうか。ポートランドのPowell's Booksの店先で、
この真っ赤な本
The Elements of Style Illustrated
『The Elements of Style Illustrated』

が目に入った。
「The Elements of Style」
と印刷されている下に、「:(コロンが)」ひとつ。表紙を開けたら内側に筆記体で「hello」。
 なに、なに、なに? これは何の本?
 内表紙を見ると、「Strunk/White/Kalman」の3者の名前が。
 William Strunk Jr.は、1900年代のアメリカ・コーネル大学の英語教授。
 E.B.Whiteは、
Charlotte's Web (Trophy Newbery)
『Charlotte's Web (Trophy Newbery)』

The Trumpet of the Swan
『The Trumpet of the Swan』

など著し、1950年代から活躍した児童文学者。
 そして、Maira Kalmanは「モード」なイラストで活躍中のベテラン・イストレーター。バッグのブランド「kate spade」とのコラボレーションもある人だ。絵本では、
Ooh-La-La: (Max in Love)
『Ooh-La-La: (Max in Love)』

What Pete Ate from A to Z
『What Pete Ate from A to Z』
や、
忙しいNYCの中央駅Grand Centralを行き交う「ニューヨーク」な人々を描いた傑作
Next Stop Grand Central
『Next Stop Grand Centr』

がある。

 この顔ぶれはいったい何事かと思ったが、StrunkとWhiteが書いた、アメリカの大学生必読の古典的「英文の書き方」参考書に、「アート」な挿絵を大々的に入れたものだった。70年代にアメリカの大学生だったら、必ずといっていいほど授業で副教本として使っている。おそらく、そのちょっと前のベビーブーマーたちも使っただろう。6、70年代に大学生だった、いま熟年世代になっている元読者たちに、もう一度買っていただこうというのが、出版社の魂胆のひとつだろう。

 懐かしいうえ、グラフィック的に素敵にアップグレードしていて、読み直すと役に立つ。え~い、買っちゃおう。アメリカではちょっと安いぺーパーバックの普及版
The Elements of Style Illustrated
『The Elements of Style Illustrated』

がよく売れているようだ。わたしも、そのワナに引っかかった。でも、大満足。

 英文の基礎を見直す良い機会になるし、例文は読み物としてもおもしろかったりする。ミニマリストの名文家でならしたE.B.Whiteの必要最小限の表現は、ぜひ学んでおきたい。そして、マチス的なKalmanのイラストも、ユーモラスだったりエスプリの利いた味わいがあったりで、目を楽しませてくれるのである。
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ユダヤ系アメリカ人とアメリカ文化:その1

 アメリカの絵本や読み物の作家の経歴を読むのは楽しい。読んでいて、アメリカはつくづく移民の国だと思う。ネイティブアメリカン以外はみんな「~系アメリカ人」だ。移民や、アフリカなどから連れてこられた奴隷の子孫なのである。

 そんなわけで、アメリカ合衆国の作家は、いろんな国にルーツを持つ人々で構成されている。わたしが読んだ中では、ユダヤ系の作家が多い気がする。ところで、最近の「マイブーム」は、イラストレーターであり作家のBrian Selznick。近著
The Invention of Hugo Cabret
The Invention of Hugo Cabret
で2008年のコルディコット大賞を受賞した、アメリカ児童書界の代表選手。1966年生まれ。他にも
The Dulcimer Boy
The Dulcimer Boy
When Marian Sang: The True Recital of Marian Anderson
『When Marian Sang: The True Recital of Marian Anderson』

The Dinosaurs of Waterhouse Hawkins: An Illuminating History of Mr. Waterhouse Hawkins, Artist and Lecturer
『The Dinosaurs of Waterhouse Hawkins: An Illuminating History of Mr. Waterhouse Hawkins, Artist and Lecturer』

The Doll People
『The Doll People』

などなど精力的に作品を発表している。

 珍しい名字なので、前々からどこの国にルーツを持つ人かと興味をもっていた。調べてみたらいろいろ面白い。祖父の代にウクライナのキエフからロンドンに出てきて、その後アメリカに移民したというユダヤ系だった。祖父の名は「Lewis Zeleznik」だが、英語の綴り方に合わせて改名したのだろう。

 祖父のLewisは、ピッツバーグで宝石商を始めたが、のちに無声映画の配給会社を設立し活躍した。4人の子どものうちDavid O. Selznickは、ハリウッド映画でオスカーを受賞したフィルムメーカーになった。あの『風と共に去りぬ』は、このDavidが手がけた作品! またMyron Selznick は、やはりハリウッドの有名プロデューサー。そんな映画一族の中で、絵本作家Brianの父は、意外にもお堅い会計士だという。

 このBrain のルーツを知って、ゾクッとした。『The Invention of Hugo Cabret』は、無声映画に夢をかけた男の埋もれていた栄光の過去を、ひとりの少年が蘇らせる物語……。ああ、作者の原風景的作品だったのか。か(書、描)かずにはいられなかった作品ではないだろうか。叔父のDavidもMyronも、Brianの誕生前に亡くなっているが、おそらく一族の中で語り継がれている話がたくさんあるに違いない。

The Invention of Hugo Cabret』は、イラストもテキストもBrianがかいている。イラストとテキストが融合したグラフィック・ノベルという実験的な体裁をとった、500ページを越える大著だ。そこには、蓋をしてもそれを持ち上げてしまう、火山から吹き出さずにはいられないマグマのようなエネルギーが溢れ、読者を魅了する。

 あまりに有名な監督のDavidとは畑違いなBrianの資料を読んで、まさかと思ったが、ふたりの写真を見くらべたらそんな疑いはふっとんだ。血が繋がっているのは一目瞭然だ。叔父と甥が、よくもまあこんなに似たもんだ。

 映画界を見渡すと、このSelznick一族だけでなく、スピルバーグだってメル・ブルックスだって、ウッディ・アレンだって、挙げればきりがないほど、みんなユダヤ系。そして、児童文学界でもかなり活躍しているのである。

このテーマ、つづく。
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今、人としてすべきことは? 先人に学ぶ

 ミャンマー(ビルマ)ではサイクロンで、中国の四川では地震で何万人も亡くなって、今も救助が求められている。

 四川の地震の様子が、生々しく報道されている。
「九死に一生を得た」という話。道で地震にあい、立っていた道の両側が急に崩れたというのを読んだら、その場面がぱっと浮かび震えた。巨岩が頭上から降ってきたというのもあった。これらを読んでいて、思い出したことがある。

 30数年前、ネパールにいたときのこと。首都のカトマンズから地方都市へバスで向かっていた。モンスーンの時期でもあり、雨が続いていた。山間のざらざらした道を走っていたバスが止まった。目の前には土砂の山。つい最近に土砂崩れがあったようだった。路肩も落ちている。山と道が一体化したような、道が消えてしまったような風景だった。「これを徒歩で越えて少し行けば、崖崩れ前に出発した別のバスが、走れるところ(崖崩れと崖崩れの間)をピストン輸送しているはずだから」と運転手がネパール語で言っている、と誰かが言ったと、これまた別の誰かが英語で言った。そんな頼りない情報でも信じて、わたしや他の旅行者たちは歩き出した。土砂の山を登ろうとすると、雨のせいもあってずぶずぶ。靴もズボンもずぶずぶ土砂に埋まる。粘土みたいな土砂から足が抜けない。やっと抜くとバランスを崩し、危うく身体ごと入りそうになる。ここに埋まって死にたくない、と思った。頑強な男性2人が両脇で腕をとってくれて、やっとの思いで土砂の一山を越えて歩いていると……。

「ガンガンガン、ガンガンガン」
 遠くの空の方から音が響いてきた。自然が怒っているような音だ。それが、不気味なことに、だんだん近づいてきた。何だ何だ! 不安げにみんなが空を仰ぐ。と、山側のてっぺんに、大砲の玉のような、丸い黒い陰が迫って見えた。
「い、岩が落ちてくる!」
「うおーっ」
 人が叫び、右往左往する。怪獣映画でエキストラが逃げ回る場面さながら。でもエキストラの演技はやはり大根だ。もう男も女も血の気が失せていた。ああ、もうだめ。どっちへ逃げたらいいかわからない。
「山側に体をくっつけろっ!」誰かが英語で叫んだ。

 ぐっーと引っ張る誰かの手の力にまかせ、わたしは体を山側にぴったりくっつけた。
「ガガガガ、ガガガ」
 まるで滝の裏側にいるようだった。巨岩が、目の前を滝の水のように落ちてきて、道路にぶつかり、谷底へと砕け散っていった……。

 これまでの生涯で経験した恐ろしいことのひとつである。地震とは違うが、土砂に埋まるということから、その思い出が鮮やかに蘇ってきて、この寒い朝、震えている。

 今わたしたちは安全なところにいて、地震やサイクロンの被害にあった人々を想像する。……何かしなくてはと思うが、ずるずる時間を過ごしている。

 先人たち、いわゆる偉人たちは、助けが必要な人たちのために、どういう態度で生きてきたのか。
 MLK
Martin Luther King, Jr. (DK Biography)
『Martin Luther King, Jr. (DK Biography)』

ガンジー
Gandhi (DK Biography)
『Gandhi (DK Biography)』

マンデラ
Nelson Mandela (DK Biography)
『Nelson Mandela (DK Biography)』
……。
 わたしのような小人が学べるだろうか……。
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児童洋書で始める英語読書:ノンフィクションその1

 おかげさまで、『Aera English 6月号』の反響があって嬉しい。紹介した本を読もうという気になってくれる人がひとりでもいたら、紹介者冥利につきる。複数だから、なおのこと。

 でも正直なところ、理由の分からない反響がひとつ。
The Periodic Table: Elements with Style
『The Periodic Table: Elements with Style』

の人気だ。化学で使う元素をキャラクター化して周期律表を楽しく学ぶ、という一種の参考書を、まったくわたしの個人的な趣味で紹介した。それがなんだか、某巨大ネット書店では『Aera English 6月号』発売以来、売れているようだ。なぜ? だれが読む、使う?

 わたしは、高等教育でサイエンスを専攻したほど科学に興味があり、科学分野にも一応アンテナを張っている。そこにかかったのが、このユニークかつ学習効果のありそうな、またアートとしても優れた1冊だった。英語学習者には、元素ごとにイラストと文章が1ページずつというスタイルが取っ付きやすい。また、もともと科学について書かれる英文には簡潔で正確なものが多いので、ぴったりなのだ。まあ、だから紹介したのだが、周期律表に興味を持ってくれる人がいたというのが、実のところちょっとした驚き。

 この本、アメリカでは売れていて、シリーズ化されている。2作目は
Physics: Why Matter Matters
『Physics: Why Matter Matters』

物理である。科学は科学でも、わたしの苦手な分野だが、これで学び直せるか!?
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「英語でゲーム!」には説明が必要、と再認識。

 セントメリーズのカーニバルは、今年は3重苦だった。
 ひとつは、雨という悪天候。ふたつ、駐車場がなかった。みっつは、バザーがなかった。とはいえ、わたしたちキッズブックブのブースはおかげさまで、それなりに忙しかった。

 ブースでお客様の質問に答えていて、自分で英語を教えたいという親御さんのニーズを再認識した。そういう親御さんに勧めてきたのはゲームだ。だが、ここしばらくその「お勧め」をさぼっていたと反省した。ゲームを使って英語に触れさせることを、おろそかにしてはいけない。そして、親御さんから頻繁に寄せられる質問は、当たり前だが、「どうやって、このカードゲームするんですか」である。それに答えるのが、わたしたちの役目だった……。

 久しぶりにビンゴゲーム
Alphabet Bingo
『Alphabet Bingo』

の説明をしていて、このゲームのよさを思い出した。実に、使い勝手のいいゲームなのである。

 遊び方はいくつかあるが、代表的なのは以下のものだ。

1.A4に近いサイズで両面(文字の面と絵の面)が使えるビンゴのシートが4枚、カルタのような絵札が36枚、「オールマイティ(wild cards)」札が3枚、「お休み(lose a turn cards)」札が3枚が中に入っている。
 シートをプレーヤーに配る(1~4人)。単語のスペリングが分からない初心者は、絵の面を使う。分かるプレーヤーは文字の面を上にする。

2.絵札をよくまぜてから、まとめて一山にする。絵が見えないよう伏せる。

3.ひとりづつ絵札をとり、スペリングの最初の文字と同じ文字の上(シートの)に置く(matching pictures to letters)。置くときに単語を発音するのを忘れない。例:太陽の絵札ならsunなので、Sのところに置く。

4.順に進めていき、縦、横、斜めどれか3枚並んだ人が「ビンゴ!」と叫び、上がり。

 これを週に一回程度するだけで、アルファベット大・小文字、beginning letters、絵札の単語をあっという間に覚えるだろう。プレーヤー別に学ぶターゲットを設定(最初は大文字の認知から)しておくといい。最終的には、全単語のスペリングまで学ばせる。

 わたしが以前運営していた英語教室では、小学生で大人気。中学生になった子も、やりたがったりしたものだ。

 デモンストレーションをすれば、親も先生方もすぐにやり方をマスターできるのだが、言葉でいうのは少々まどろっこしい。でも、絶対効果がある!

 中級になったら、単語を完成させる
MaKe-A-Word Bingo
『MaKe-A-Word Bingo』

がよかった。
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ブックフェアとリードアラウド予定

 Very short notice...
 明日、5月10日はSt.Mary's International school のカーニバル。今年は学校改築工事中で、出店は体育館(Gym)。
ワークブックSpectrum Reading 1 (McGraw-Hill Learning Materials Spectrum)
Spectrum Reading 1 (McGraw-Hill Learning Materials Spectrum)』や
フラッシュカードGo Fish: Game Cards
Go Fish: Game Cards
など教材中心のブックフェアを展開する予定。10:00-16:00まで。
田園都市線 二子玉川下車、徒歩10分。毎年、2万人の人出の東京近郊インター校では最大のお祭り。

 雨という天気予報ですが、楽しみましょう!


【公開リードアラウドの予定】
○5月25日(日曜日) 9:45-10:45
 クレヨンハウス地階にて。対象は子どもから一般、そして英語の先生まで。
 使用絵本は
Dog's Noisy Day
Dog's Noisy Day

○6月27日(金曜日)19:00-20:00
 クレヨンハウス1階にて。対象は大人。
 使用絵本は
That's What Friends Do
That's What Friends Do

 どちらも申し込みは、クレヨンハウス(03-3406-6492)まで。
 参加条件:使用絵本をクレヨンハウスでご購入して参加ください。
 クレヨンハウスでお会いしましょう!
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アフリカ系アメリカ人文化を英語児童書で読む

 連休なのでちょっといつもと違うことをしようと、本を読む代わりに映画を見た。
 たまたま目に入ったのが、『キクとイサム』という今井正監督の古い作品。見たところまだ30代後半(40年以上前ということ?)の三国連太郎がちょこっと出演している。
 主役はアフリカ系アメリカ人と日本人の混血の子役ふたり。アメリカ駐留軍の軍人を父とする姉弟が、東北のどこかの村で祖母に育てられているという設定だ。黒人であることをさほど意識せず11歳まで育ってきたキクだったが、村から一歩出ると好奇の目で見られる。子どもの幸せのためにと、祖母は弟のイサムをアメリカへ里子に出すことにする。弟との別れを経験し、「黒んぼ」と呼ばれる自分の存在が愛する祖母の負担になっていると思ったキクは生きる希望をなくす……。

 戦後、実際にあったこととしてもおかしくない物語だ。しかし1950年代では、たとえアメリカに渡ったとしても、黒人と日本人の混血児に待ち受けているのは、先日読んだ
Bad Boy: A Memoir
『Bad Boy: A Memoir』(ブッククラブ
Gコース 2008年6月号)
の世界なのだ。
 King牧師が公民権運動をしていた時代である。平等の実現はまだだった。
Martin Luther King, Jr. (DK Biography)
『Martin Luther King, Jr. (DK Biography)』


Ben's Trumpet
『Ben's Trumpet』(ブッククラブ
Gコース 2008年6月号)
をたまたま読んだ(「たまたま」と言いながら、なぜか黒人系の読み物が多いような気がする……)。ジャズ全盛の20年代のNYハーレムが舞台の絵本だ。ジャズ・クラブから流れるトランペットにあこがれて、「まぼろし」のトランペットを吹いていた少年は、他の子どもたちから馬鹿にされていた。しかし、本物のトランペッターにその「演奏」を褒められ夢のようなことが起こる、という自己実現の物語である。似た設定の
The Jazz Man
『The Jazz Man』
というのもあったけ。

『Bad Boy』で作者のMyersが書いているように、50年代のアメリカでは、アフリカ系に生まれた子どもに描ける未来は限られていた。日本人との混血のアフリカ系で、親がなく英語を話せずという、映画のイサムのような星の下に生まれていたら……。せっかくの休みなのに、気持ちが暗くなった。映画にしても、本にしても、現実に自分に起こっていることではないのだが、気分的にすぐに影響を受けてしまうのは困ったものだ。
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