1年に1回は沖縄の空と海を見ないと、息が詰まるような気がする。2007年12月末、池間島に行った。気温25度、天気晴れ。羽田から那覇へ行き、乗り換えて宮古島に着く。車でサトウキビ畑を抜けて池間島を目指す。制限速度40キロの道がずっと島への橋まで続く。出会ったどの軽自動車も、なぜかきっちり40キロで行く。あとで知ったが、これが宮古島スタイルらしい。
「宮古島でゆっくりな車にクラクションならすと、運転しているおじいが車を止めて出てくるよ」
那覇で、後日にタクシー運転手に言われた。
「えっ?怒鳴られるのですか?」
わたしが聞くと運転手は、嬉しそうな顔でこう言った。
「違うさ。何でそんなにせかせか運転すんのかって、説教されるんさ」
いくら時速40キロでも、1時間も行けば池間大橋に着く。エメラルド色の海が眼下に広がる。珊瑚礁が、水面下に見えている。ここを渡ると池間島。もうこの島では、海底にもぐるか、グラスボートに乗って海底を覗かずには帰れない。
「エメラルド色のこの海がきれいだと思っているだろ」グラスボートでわたしたちを案内するおじさんが、よく澄んで通る声で、ゆっくりとわたしたちに言った。
「今からな、ほんとーの、きれーいな海を、見せてやるさ。帰りには、もうエメラルドの海なんて、振り向きもしなくなるさ」
独特な抑揚で、おじさんが続ける。その言葉通り、10分も進むと目の前に深い紺色の筋のような海が見えて来た。
「さあ、どうだ。海の色、違うだろ。黒潮だ。」
「さー今から、黒潮に入るぞ」
もっと、じわじわ色が変わると思いきや、すぱっと海水が紺色に変わった。すごい。紺色の幅広のリボンみたい。
「きれいな海は、匂いもないさー。ほらー、なーにも匂わないだろ」
無臭の海の風に吹かれながら、同行している我が息子がささやいた。
「絵本を読むみたいな話し方だね、おじさん」
あ、そうだ。それもとびきり上手な人みたい。言い得て妙だ。行間の意味を味合わせるような、間の取り方や、語尾の上げ下げ、ものがたりの先を聞きたくなるメリハリが、絶品だ。ワンセンテンス語ったあとの、聴衆とのアイコンタクト。生き生きして、ちょっといたずらっぽくじらすような、一期一会の聴衆を愛してくれているような眼だ。腹から出しているが、がならない余裕ある声量は、歌のようにこちらを心地よくする。
おじさんは、わたしの「強敵」?!
さて、まだまだ未熟者の大島英美の1月のリードアラウド:
1月21日14:45-15:45 成蹊国際教育センター
絵本:Is That You, Winter? by Stephen Gammell

『Is That You, Winter?』
作者:Stephen Gammell
(対象は成蹊小学校中学年)
1月27日9:45-10:45 クレヨンハウス(03-3406-6492)
絵本:Soon Baboon Soon

『Soon, Baboon, Soon』
作者:Dave Horowitz
参加希望の方は、クレヨンハウスで使用する本をご購入下さい。
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「宮古島でゆっくりな車にクラクションならすと、運転しているおじいが車を止めて出てくるよ」
那覇で、後日にタクシー運転手に言われた。
「えっ?怒鳴られるのですか?」
わたしが聞くと運転手は、嬉しそうな顔でこう言った。
「違うさ。何でそんなにせかせか運転すんのかって、説教されるんさ」
いくら時速40キロでも、1時間も行けば池間大橋に着く。エメラルド色の海が眼下に広がる。珊瑚礁が、水面下に見えている。ここを渡ると池間島。もうこの島では、海底にもぐるか、グラスボートに乗って海底を覗かずには帰れない。
「エメラルド色のこの海がきれいだと思っているだろ」グラスボートでわたしたちを案内するおじさんが、よく澄んで通る声で、ゆっくりとわたしたちに言った。
「今からな、ほんとーの、きれーいな海を、見せてやるさ。帰りには、もうエメラルドの海なんて、振り向きもしなくなるさ」
独特な抑揚で、おじさんが続ける。その言葉通り、10分も進むと目の前に深い紺色の筋のような海が見えて来た。
「さあ、どうだ。海の色、違うだろ。黒潮だ。」
「さー今から、黒潮に入るぞ」
もっと、じわじわ色が変わると思いきや、すぱっと海水が紺色に変わった。すごい。紺色の幅広のリボンみたい。
「きれいな海は、匂いもないさー。ほらー、なーにも匂わないだろ」
無臭の海の風に吹かれながら、同行している我が息子がささやいた。
「絵本を読むみたいな話し方だね、おじさん」
あ、そうだ。それもとびきり上手な人みたい。言い得て妙だ。行間の意味を味合わせるような、間の取り方や、語尾の上げ下げ、ものがたりの先を聞きたくなるメリハリが、絶品だ。ワンセンテンス語ったあとの、聴衆とのアイコンタクト。生き生きして、ちょっといたずらっぽくじらすような、一期一会の聴衆を愛してくれているような眼だ。腹から出しているが、がならない余裕ある声量は、歌のようにこちらを心地よくする。
おじさんは、わたしの「強敵」?!
さて、まだまだ未熟者の大島英美の1月のリードアラウド:
1月21日14:45-15:45 成蹊国際教育センター
絵本:Is That You, Winter? by Stephen Gammell

『Is That You, Winter?』
作者:Stephen Gammell
(対象は成蹊小学校中学年)
1月27日9:45-10:45 クレヨンハウス(03-3406-6492)
絵本:Soon Baboon Soon

『Soon, Baboon, Soon』
作者:Dave Horowitz
参加希望の方は、クレヨンハウスで使用する本をご購入下さい。
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